2. 女性の性欲が男性より弱い2つの理由

前回の記事で、女性(メス)は慎重にパートナーを選び、積極的に男性(オス)と性的関係を結ばない方が、自分の遺伝子を多く残せると言いましたね。

 

そのため女性の多くは男性よりも性欲が弱いわけですが、今回はなぜ、

  • 「女性は性欲が弱いのか」
  • 「積極的に異性とセックスをしないのか」

その理由をわかりやすく解説します。

 

女性の性欲が弱い2つの理由

普通に考えると、女性も男性と同じように「積極的に性的関係を結んで子供を作った」方が、自分の遺伝子を後世に多く残せそうです。

 

しかし、女性の場合、 男性とは置かれている状況、立場で大きく違う点があります。

それは、子供を作る時に次の二つのデメリットがあることです。

  • 妊娠、出産のリスクがとても高い
  • 時間的な損失が大きい

 

この二つの大きなデメリットがあるため、女性は男性よりも積極的に性交渉を結ぼうとしないのです。

 

それでは、ひとつずつ解説していきます。

 

1. 妊娠、出産のリスクがとても高い

まず、「妊娠、出産のリスクがとても高い」ですが、今でこそ、妊娠・出産時の死亡事故はだいぶ減りましたが、もともとはとてもリスクの高い行為でした。

人間だけでなく、動物でも出産時に死亡することはよくありました。

 

下記データにあるとおり、わずか100年ちょっと前の1900年でも死亡率は、今より100倍以上多かったんです。

当然、データはありませんが、500年前、1000年前の出産時の妊婦死亡率はもっと高かったでしょう。

補足
【妊産婦死亡率の推移】

死亡数 死亡率
1900年 6,200 397.8
1950年 4,117 161.2
1975年 546 27.3
2000年 78 6.3
2016年 34 3.4

※死亡率計算式 - 「妊産婦死亡率=年間妊産婦死亡数÷年間出産数(出生数+死産数)×100,000」

引用 -「厚生労働省政策統括官 人口統計資料集(2018)」

 

 

そのため、簡単には妊娠・出産しないよう、本能的に女性(メス)の脳ではセックスに対して、ある種のストッパーがかかっているのです。

女性(メス)にとってセックスは、男性(オス)のように快楽だけがある行為ではなく、大きなリスクがあるのです。

 

ですので、女性(メス)は潜在的に、「この人の子供のためなら、命をかけてもいい」と思えるような相手でないと、なかなか関係を持とうとしないよう進化してきたのです。

 

よく、難産で「この子のためなら、死んでもいい」というお母さんがいます。

それは女性が、上記のようなリスクを踏まえて性行為、出産を行っているからであり、このようなセリフは本能から出た、正真正銘の素直な気持ちだと思います。

 

2. 時間的な損失が大きい

もう一つのデメリットは、「子供を作ることは女性(メス)にとって、時間的な損失が大きい」ということです。

 

多くの哺乳類は子供を作る場合、男性(オス)が負担しなければならない時間は、性交渉の時間だけです。

 

ところが、女性(メス)の場合は、その後、妊娠・出産をしなければなりません。

人間でいうと、それぞれ負担する時間は、男性が数十分なのに対し、女性は1年近くかかります。

 

つまり動物にもよりますが、子供1人あたりにかかる時間が通常女性(メス)は、男性(オス)の何千、何万倍もかかるわけです。

 

 

しかも、哺乳類の場合、多くの種はメスが母乳で子育てをします。

その時間も含めると、子供1人を産んで、育てるのにかかる時間は、オスとメスの間で圧倒的な差になります。

 

 

ですので、交尾の後でパートナー選びに失敗したと気付いた場合、男性(オス)は、すぐに別のパートナーにアプローチをかけることができ、いくらでも選択ミスを挽回できます。

 

 

 

一方、女性(メス)の場合は、うっかり魅力的ではないパートナーと関係を結んでしまうと、そうはいきません。

一旦体の関係を持ってしまうと、妊娠~出産~子育てが終わるまでは、次の相手と関係が持てません。

(※動物によっては授乳期間が終わるまで、発情期にならないこともあります)

 

つまり、女性(メス)の場合、パートナーの選択ミスによる時間的な損失がとてつもなく、大きいのです。

 

補足
実際、男性(オス)は一生のうちに無限に子どもを作れる可能性があります。
モンゴル帝国のチンギス・ハーンやエジプトのラムセス2世などは、少なくとも100人以上の子どもを作ったと言われますし、相手がいれば、かなりの子どもが作れます。

 

一方、女性の最高記録はロシアの農民ワシリエフさんの69人(双子、3つ子、4つ子などが多かったそう)です。

これもかなりすごい人数ですが、やはり男性にはかないません。
女性は一生のうちに子どもを作れる数が、男性よりも制限されているわけです。

 

 

女性は慎重に相手を選んだ方が子孫を残せる

以上のように、女性(メス)は男性(オス)と比べ、子どもを作ることに

  • 妊娠、出産のリスクがとても高い
  • 時間的な損失が大きい

というデメリットがあるのです。

 

 

通常男性、女性ともに、「積極的にいろんな異性と関係を持つ」戦略を取ると、魅力的でないパートナーの子どもを作る確率が上がります。

 

その場合、男性はすぐに別のパートナーと子どもを作ることができますが、女性の場合は上記2つのデメリットがあるため、簡単には別のパートナーと子どもを作ることができません。

 

そのため女性は、「積極的にいろんな男性と関係を持つ」戦略よりも、「慎重に相手を選んでから、関係を持つ」戦略の方が、魅力的な遺伝子を後世に残しやすくなります。

 

その結果、進化の過程で女性(メス)は「慎重に相手を選んでから、関係を持つ」ようになり、「性欲も男性より弱い」タイプが多くなったわけです。

 

 

これまでの歴史の中では、「積極的にいろんな男性(オス)と関係を持つ」タイプの女性(メス)もいたと思いますが、進化の過程の中で魅力的な子孫を残せず淘汰されていったと考えられます。

 

女性(メス)の場合、性欲は量より質の方がいいわけです。

 

 

 

よく、男性がホテルに誘うときに「いいじゃん。減るもんじゃないしー」なんて、口説く人がいると思います。

 

あ、私じゃないですよ!(汗)

 

でも、女の子は、好きでもない男性と関係を持つと、実際に時間はもちろんのこと、もっと魅力的な男性と関係をもつ機会を減らしている(失っている)わけです。

 

 

オススメ記事